第5回 ダンスのカップルはミスコミュニケーションが起きやすい!?
第5回 ダンスのカップルはミスコミュニケーションが起きやすい!?
社交ダンスラジオ番組ダンスウェーブオフィシャルライターNaoです。
さて、こちらのコラムでメンタルコーチ島田が連載している「メンタルシリーズ」、お楽しみいただいておりますでしょうか。
第4回のコラムは、「分かったつもり」によるパートナー(奥様)とのコミュニケーションのすれ違いのお話でした。
先日、某練習場において、社交ダンスのカップルのコミュニケーションは難しいと思わされる光景に出会いました。
練習を終え、そろそろ帰ろうかと荷物をピックアップしようとした時のこと、私たちの荷物の真ん前で、とあるカップルが喧々諤々もめておりました。
よく見ると、パートナーさんはうっすらと涙ぐんでいる……。
気まずい……!!
さすがにそこに割って入る勇気はなく、所在なくなんとなく練習するフリをしてみましたが、一向に話は収まる気配はありません。
とってもお上手なカップルなので、練習場中の注目を浴びている上に、声が大きいので丸聞こえなのです。
要はリーダーさんが、
「原因は◯◯なのに、なんでこっちのせいにするんだ!」
とパートナーさんに言い、パートナーさんは「原因は別のところにあるんじゃない?」と問題提起しようともめている感じでした。
ペアダンスあるあるですが、何かうまくいかない時、殊にアマチュアでは原因の深堀りをしようとして、不正解なことが往々にしてあります。
そして人間とは、かくも自分が悪いとは思いたくない生き物。
すると、必然的に「相手が悪い!」となる構造を抱えているのではないかと思わされます。
その結果、こうなる。
はい、喧嘩が起きるわけですね。
相手の言う「原因」とやらを試してうまくいかないと「何よ、違うじゃない」「お前が俺の言ったとおりにしないからだろ」……とますます悪循環。
私が目撃したカップルはとてもお上手な方たちで、普段は建設的な話し合いをしていると思われるのですが、それでも時にこうした揉め事は起きがち。
こうした時は一旦うまくいかないことは横に置いておいて、次のレッスンでコーチャーにアドバイスを求めてはどうかなと思いました。
自分たちで解決できないことに時間を割いても、限られた時間がもったいないですよね。
※決して、練習後にリーダー様に焼肉をおごってもらう約束をしていて、「早く行きたかったぜ、ちくしょー」という話ではありません、あしからず。
……とそんなことを思っていた矢先、似たようなミスコミュニケーションが私とリーダーにも訪れました。
それはサンバを練習していた時のこと、リバースロールの入りがうまくいかず、我がリーダーは「遅い! もっと早く腕を使え」と言うわけです。
ところが、何度やっても遅いと言われ続ける。
よくよく聞いて、とんでもない誤解がわかりました。
リーダーが言っていたのは、リバースロールの1歩目の入りで「左手が上がるのが遅い」と言っていたのです。
私は、その前のローリングオブジアームの「右手をたたむのが遅い」と完全に誤解していました。
そりゃー、うまくいくはずないよね!!
これなどは、コーチャーに聞く以前に、「相手の話を聞いていない」という例でありました。
こういうミスコミュニケーションはいけません、人間関係の「基本のキ」ですね。
でも、ありませんか、こういうこと?
……え、うちくらいですって(笑)?
これなどは「あれ・これ・それ」などの指示語を避け、「どのルーティンの」「どのタイミングの」「どの部分に」問題があるのかを明示的に言うことで、すれ違いを防げるという例でした。
島田のコラムと合わせて、ぜひご参考にしてください。
ところで、ダンスビュウの巻頭カラーで「ピクチャークリニック」の執筆を担当させていただくことになりました。
4〜5月号は増田大介・塚田真美組を講師にお迎えします。
サンバのリバースロールのコツもレクチャーいただく予定です。
ミスコミュニケーションによる失敗ではなく、テクニックのコツにおいて非常に勉強になる内容です。
こちらもぜひお楽しみに!
文責:賀曽利奈穂(ダンスウェーブオフィシャルライター)
元DSCJアマチュアラテンA級
ゲームシナリオライターの傍ら、社交ダンスのさらなる普及に向けてダンスウェーブで活動
オフィシャルブログ「Naoのダンスウェーブ裏番」も好評配信中!!
(2017年2月7日更新)