第11回 相手の関心に関心を持ってみる
レッツダンスを御覧の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
社交ダンス情報ラジオ番組『ダンスウェーブ』オフィシャルブロガー、スポーツメンタルコーチの島田裕です。
3月15日放送回の「島田裕のコーチング・コミュニケーション」コーナーでは、「練習中にケンカをしてしまう」をテーマに、カップル仲を深めるコミュニケーション術についてお話をさせていただきました。
どこに注目して相手に関わるかでも、相手への伝わり方は変わりますね。
※収録時の写真はコチラ↓
(この日のメインゲストは大村淳毅先生・和田恵先生でした!)
今日のコラムではもう少し踏み込んで、相手の本当の想いを引き出す方法を考えてみましょう。
皆さんは、リーダー(パートナー)がどうしたいのか、生徒さんが何に困っているのか、分からないはありませんか?
ということで、今日のテーマは「相手の関心に関心を持つ」です。
え?相手の関心に関心???とハテナマークが頭に浮かんだかもしれませんね。
普段、僕らは物事や人の話を、「自分」の目で見て、「自分」の耳で聞いて、「自分」の体で感じて、その上で自分の価値観というモノサシで、評価・判断をしています。
一般的には、上記の流れで考えるのが普通のことです。
その「普通」をあえて変えてみませんか?というご提案です。
自分の価値観を一旦脇に置いて、「相手」の目で見て、「相手」の耳で聞いて、「相手」の体で感じて、相手と関わってみるんです。
以前、ダンスのレッスンでこんなことがありました。
タンゴを練習していたのですが、どうにもショートサイドがうまくいきません。
パートナーと歩幅も合わないし、なんだかガチャガチャします。
その時、コーチャーが言ったのです。
「島田さん、いま何をしようとしてる?」と。
コーチャーが注目したのは、僕が(または自分の生徒が)
「何に意識を向けているか?」だったのです。
僕のダンスではなく、僕の関心(意識)が向いていることに関心を示してくれたんですね。
その問いをきっかけに、初めて気がついたのですが、
その時の僕はとにかく「コーナー」を目指してLODを突き進むということを、無意識にやっていたみたいなんです。
その結果として、目線は下がるし、次のコーナーを目指して移動距離を稼ぐために、歩幅だけが大きくなったりバランスを崩してしまったりと、おかしなダンスになってしまっていました。
もちろん、体の使い方だけを直してもらったとしても、一時的にはうまくいったのかもしれません。
しかし、僕の無意識での関心が「コーナーを目指す」というパターンから離れない限り、
同じようなことは何度でも起こります。
『島田さんの中で何が起こっているからこういう踊りになってしまうんだろう?何を見て、何を考えているんだろう?』というコミュニケーションは、僕にとって心地の良いもので、且つ非常にパワフルに自分と向き合うきっかけを与えてくれました。
このように、コーチャー自身の価値観は一旦脇において、僕が見ている世界を一緒に探求してくれたからこそ、僕は自分が無意識にやっている行動パターンに気づくことが出来たのです。このパターンに気づけたことで、例え種目が変わっても自分で現状に気づき、修正することが出来るようになりました。
今回のポイントは、「相手の関心に関心を持つ」でした。
自分の価値観を脇に置いて、「なんでこいつは出来ないんだ」ではなく、「この人はどんな世界を見ているんだろう?」と、相手と関わってみることで、相手も気づいていなかったことを引き出すきっかけになるんですね。
ダンスのレッスン中、練習中、試合中、2人の踊りが噛み合わない時など、是非試してみてくださいね。
それでは素敵な一日をお過ごし下さい(^^)
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文責:島田 裕(ダンスウェーブオフィシャルブロガー)
・アマチュア競技ダンサー(パートナーは奥さん)
・スポーツメンタルコーチ
「思いやり溢れるコミュニケーションが当たり前の世界。」
社交ダンスとメンタルコーチングを通して、その実現を目指しています。
ダンサー、カップル、スポーツ選手、指導者、チームのメンタルコーチとして活動中。また、活動理念に共感したダンスウェーブに合流し、社交ダンス界を盛り上げる為活動中。
ダンスウェーブ公認ブログの一つ『社交ダンス応援サイト ダンスコミュニケーション(通称ダンコミュ)』(http://shimadaism.com/dance-communication/)を運営。
パーソナルコーチングサポート(個人・カップル)、勉強会、セミナー、講演など随時お問い合わせ下さい。
(2017年5月9日更新)