第5回 ハワイとダイタイ時計とサーフィン
今年の夏休みもハワイに行ってきました。
選手を引退してようやく行けるようになったハワイ、ビーチで日本の子供が遊んでいるのを見るとうらやましく思えます。
太陽と海と大地からエネルギーを充分に吸収して自分が豊かになったような気がしますが、こういうところに来たら、まず、時間を忘れることが大事!ということでダイタイ時計というものを手に入れて持って行きました。
どういう時計かというと、所ジョージ氏が発明(?)したもので、
例えば10時前後・前半・中頃・後半というふうに、ダイタイしか時間がわからないようになっているんです。時計は正確でなければならないということへのアンチテーゼにもなっていて、日頃、分刻みで仕事をする我々にとっては、時の価値観を逆転させるほどのインパクトを持っています(^_^;)
でも悲しいかな、十数年身に付いた体内時計は、浜辺でビール片手に読書して過ごそうと思って何冊も本を持っていったものの、せっかくの休日、何かしないともったいないと思い、ついつい次の計画は何にしようかと、何時になったらあれをして、これをしてと思いめぐらしているうちに、ダイタイ時計の切り替えボタンを押して、今、何時何分だろうと確かめる自分が情けなかったです、トホホ・・・。
そんな感じで今回は、一念発起、初めてサーフィンに挑戦しました。
プロのダンサー仲間にサーフィンをやっている選手がいたこともあって、波の上で、バランスをとるということはどんな感覚なのだろうとついダンスにからめて考えてしまうのがこれまた、職業病の一つ。
中部総局のホープ、山本章絡選手は、サーフィンをやっているダンサーの一人で、以前からバランスボールの上に立てると豪語していました。
そこで、スタジオにあるバランスボールの上でトライさせたところ、空気が多すぎるとか、みんなが見てるとか言い訳ばかりして、バランスボールの上でブルブルと生まれたての小鹿のように四つんばいになったきりで結局立てませんでした。
後日、よっぽど悔しかったのか、立った証拠写真を持ってきて、自慢しまくってましたが、やはり生で見ないと信用できないよ、アキラ君!!
前置きが長くなりましたが、そんな訳で、初心者コースのサーフィンレッスンを受けることにしました。
まずビーチで、パドリングと立ち上がる練習を何度もして、いざ、沖合いへ。
isanaオーシャンスポーツオーナーのKazuさんの指導のもと、めきめきと上達・・・という訳にはいきません。
やはり思った以上にムズカシイ。
頭は真っすぐ前を見てと言われてもつい足元に視線が行ってしまい、これって、よくダンスの先生が生徒に向かって「下を見ないように!」と言うのと同じだなぁ、初心者ってこういう気持ちなんだなぁと、つくづく思い、もっとやさしく指導しようと心に誓いました、ホントです。
そして何度も水没するうちに、6回目のトライでようやく立てたのです!
波とボードと自分が一つになった感覚が得られたのです。
ピタッとある一本の線上で安定して、その時、これはプロムナードポジションに似ていると思いました。左肩が進行方向に向いていて、ナンバの形になったのです。
自転車と同じで一度乗れれば、分かったも同然、ただ、波はいつも不規則に変化するので、まだまだ修行が必要です。
7回目も乗れたものの、その後はまた水没を繰りかえしました。でもあのピタッと重心が合った感覚はゲットしました。
これでまた自分のダンスに生かせるぞ、そして、アキラ君の前で、バランスボールの上に立って見せてやる日が近づいたことを実感した日でもありました。
(今回は、ブログ調のコラムになってしまいましたが、ちょっと息抜きとして読んでいただけたらと思います。「勝手気ままなコラム」だもの、たまにはいいよネ!)
藤本明彦
(2008年10月16日更新)