第43回 男性の左手と女性の右手のつなぎ方
腕は三本の骨で構成されています。
肩から肘までの上腕骨の1本、肘から手首までは橈骨と尺骨の2本に分かれています。
上腕骨と関節しているのは尺骨で手の小指側に位置していて、一方、橈骨は手の親指側に位置し、上腕骨とは関節していません。
私たちが肘を動かさず手首を回転させられるのは、橈骨が尺骨と交差することができるからです。“たわむ”とも読む「橈」を使っているのはこのためです。
パートナーとグリップする時、親指の付け根のハラの部分、足裏で言えばボール部分を互いに圧着することを、自分は心掛けています。そうすることで、不安定になりがちな手首の回転をコントロールできるからです。いくら肘を張って尺骨側に力が入っても橈骨が安定しなければ、手首は落ち着きません。
次に、他の4本の指で大切なのは中指と薬指です。他の指と違い、 この2本は同じ腱でつながっているため、セットで動かす方が効率がよいのです。そして男性はこの2本の指を女性の手の甲の同じ2本の指の腱のところに合わせます。これによって尺骨側も互いにつながることができます。
もうひとつ大切なことは、たなごころに小さな空間を作っておくことです。昔から“うずらの卵一個分”とか“ピンポン玉の大きさ”とか言われていますが、要は手をアーチ状にしておくことで、力まずしっかりとしたグリップをつくるイメージなのです。足裏にもアーチ構造があるように手にも同様の機能を持たせるというアイディアです。
そして意識の上で重要なことは、手を握るのではなくお互いの背中や背骨と繋がるようにグリップする感覚でしょう。
究極は、グリップを通して心と心が繋がれば、無敵のホールドになると自分は信じています。
藤本明彦
(2011年11月29日更新)
藤本 明彦
リーダーの藤本は、大学のダンス部に入部後、桝岡栄子先生に師事。
学生チャンピオン、アマチュアチャンピオンを経てプロに転向、Aクラス昇級後、英国留学を重ね全日本グランドファイナリストとして活躍。
2001年のスーパージャパンカップを最後に競技選手を引退。
1961年生まれの天秤座のO型で、現代の日本人が忘れかけている「気合・根性・忍耐」の精神が大切であると常々思っている。
大の温泉好きで、これからは秘湯めぐりをしようかと密かに企んでいる。
佐藤 直美
パートナーの佐藤は栃木県出身で、実家がダンス教室でありながらダンス嫌いで、ミュージシャン志望だった。
しかし、亡き母の熱心な薦めで、東京は四ツ谷の「石原ダンスクラブ」にその頃在籍し次期チャンピオンと言われていた桑原明男先生に師事。
プロの踊りの奥深さとかっこ良さに触発され自分もプロになることを決意し上京。(まんまと母の思惑通りになる…)
直美という名前はダンサーネームで本名は玲子。プロになる時オーナーが「皆に好かれ、ダンサーとして大成するように」とつけてくれた。
その後タップダンスやジャズダンスなどでダンサーとしての体を作りながら地道に昇級し、Bクラス戦を前後期優勝しAクラスに昇級。
やはり英国留学を重ね全関東選手権、アレックス・ムーアカップでファイナル入り、スーパージャパンカップでセミファイナル入りと着々と実績を上げ2001年に競技選手を引退。
都内にダンススタジオをオープンするも、同じ頃藤本と公私共にカップルを組む事になり、平成16年4月に神奈川県横浜市に「藤本ソシアルダンススタジオYOKOHAMA」を新規オープン。
多くのダンスファンに親しまれ、今日に至っている。
現在は、経営指導の傍ら、JBDF東部総局公認審査員、デモンストレーターとして多忙な日々を送っている。そして、「なんば」をキーワードにダンス理論を解明することがライフワークのひとつとなっている。