第51回 文化・芸術は贅沢品ではない
今、横浜では「ダンス・ダンス・ダンス at ヨコハマ 2012」が開催中です。以前、このコラムでご紹介した様に、横浜という舞台から芸術文化を発信していこうというアーツフェスティバルの一環で、トリエンナーレ、ダンス、音楽を3年毎に開催するというものです。
ダンスイベントについては今年は初年度ということですが、100を超えるイベントが連携プログラムとして展開する予定です。赤レンガ倉庫前オープンステージでのベイサイドバレエを皮切りに、ダンスと名の付く踊りのほとんど全てがこのイベントに参加し、JBDF・JDSFももちろん、各コンペ・イベントを連携しています。
先月、オープニングレセプションに自分も参加してきましたが、横浜アーツフェスティバル実行委員会名誉委員長である林文子横浜市長が挨拶の中で語った、「文化・芸術は贅沢品ではない」という言葉が印象に残りました。
欧米に比べて、日本はまだまだ文化・芸術というソフトな面が弱く、横浜市は世界に先駆けて、ジャンル毎に開催していたダンスを全て取り込み、横浜という国際都市から文化・芸術を発信していきたいとおっしゃっていました。
「文化」は民族や社会の風習・伝統・思考方法・価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていくものを意味し、技術的・物質的な進歩を表す「文明」に対して、精神的な面に重点を置くものです。
私たちの生活がどんなに便利・快適になっても、何か満たされないものを感じるときがあります。そんな時、音楽を聴いたり、絵を見たり、運動したり、本を読んだり・・・。自然と文化的な行為をすることで、心のバランスをとっています。
ダンスも身体で何かを表現したいと思ったときに、音楽と結びつき、多様多種なジャンルに発展していきました。
皆さんは社交ダンスで何を表現しようと思いますか?ナチュラルターンやフォーラウェイリバースで何を見せたいですか?ペアダンスとしての特性を生かし、私たちはボールルームダンスの魅力をこれからも文化・芸術として広めていきたいと考えています。
林文子横浜市長と。 |
バーテンダー世界チャンピオンのバー 「ノーブル」の山田高史氏作のカクテルが 来場者に振る舞われた。 |
(2012年7月30日更新)