第10回 リード&フォロー その1
このコラムが掲載されるのは、スーパージャパンカップが終わった直後でしょう。スタンダードおよびラテンも新しいチャンピオンが決まり、セグエにおいても、新しいスターが誕生することだと思います。
自分は今回も採点管理室に籠もりきりで、息抜きにコンペを見る程度で、選手の頑張り具合が分からないのが残念です。
ところで、ボールルームダンスの特徴とは何でしょうか?
それは、カップルダンスであることの一言に尽きると思います。様々なジャンルのダンス、バレエ、ジャズ、タップ、ヒップホップ、・・・等、一人で踊るこれらのダンスと違って、二人で踊る我々のボールルームダンスは、リード&フォローの技術がしっかりしていないと大変踊りづらいということを、経験者なら身に染みて分かっていることと思います。
個々の身体能力がどんなに高度でも、二人の動きと合わせる技術が不十分であれば、すぐれたダンサーにはなり得ないでしょう。カラダの使い方、例えば、ライズ&フォールの方法、スイングの出し方、美しいポイズのつくり方などを指南する解説書は多くあっても、それらはすべて物理的な動きに対するアドバイスであって、どのような気持ち、心のあり方で踊れば良いかということを具体的に述べているものはほとんどありません。
特に、一口にリード&フォローと言っても、リードとは何であるか、フォローとは何であるかということは、言葉にするのも説明するのも非常に難しく、感性の問題として片付けられてしまいがちになります。競技選手は、動いてナンボであって、そんな難しいことを考えてもスピードやパワーになんかなりはしないと思っていたら大間違い!
次回は、その理由を含め、リード&フォローの解説に挑戦してみたいと思います。
藤本明彦
(2009年2月1日更新)
藤本 明彦
リーダーの藤本は、大学のダンス部に入部後、桝岡栄子先生に師事。
学生チャンピオン、アマチュアチャンピオンを経てプロに転向、Aクラス昇級後、英国留学を重ね全日本グランドファイナリストとして活躍。
2001年のスーパージャパンカップを最後に競技選手を引退。
1961年生まれの天秤座のO型で、現代の日本人が忘れかけている「気合・根性・忍耐」の精神が大切であると常々思っている。
大の温泉好きで、これからは秘湯めぐりをしようかと密かに企んでいる。
佐藤 直美
パートナーの佐藤は栃木県出身で、実家がダンス教室でありながらダンス嫌いで、ミュージシャン志望だった。
しかし、亡き母の熱心な薦めで、東京は四ツ谷の「石原ダンスクラブ」にその頃在籍し次期チャンピオンと言われていた桑原明男先生に師事。
プロの踊りの奥深さとかっこ良さに触発され自分もプロになることを決意し上京。(まんまと母の思惑通りになる…)
直美という名前はダンサーネームで本名は玲子。プロになる時オーナーが「皆に好かれ、ダンサーとして大成するように」とつけてくれた。
その後タップダンスやジャズダンスなどでダンサーとしての体を作りながら地道に昇級し、Bクラス戦を前後期優勝しAクラスに昇級。
やはり英国留学を重ね全関東選手権、アレックス・ムーアカップでファイナル入り、スーパージャパンカップでセミファイナル入りと着々と実績を上げ2001年に競技選手を引退。
都内にダンススタジオをオープンするも、同じ頃藤本と公私共にカップルを組む事になり、平成16年4月に神奈川県横浜市に「藤本ソシアルダンススタジオYOKOHAMA」を新規オープン。
多くのダンスファンに親しまれ、今日に至っている。
現在は、経営指導の傍ら、JBDF東部総局公認審査員、デモンストレーターとして多忙な日々を送っている。そして、「なんば」をキーワードにダンス理論を解明することがライフワークのひとつとなっている。