第56回 アレッシア・ベティー 横浜に上陸
去る11月30日・12月1日の2日間、元世界スタンダードチャンピオン、アレッシア・ベティー先生が、当スタジオでプライベートレッスンとレクチャーを行ってくれました。デモや競技会で彼女の踊りは見ていましたが、話したりレッスンを受けるのは初めてでした。
物静かでマイペースだという評判を聞いていたので、お世話する上で不安と期待が入り混じった気持ちで彼女を迎えることになりました。 前日には、スタジオで例年よりも早くクリスマスの飾り付けを行い、「Benvenuta Alessia Betti!」(ようこそアレッシア!)というポスターを貼り準備を整えておきました。
いよいよ初日、8時半からの朝イチのレッスンはスタッフの美佳カップルだったので、電話で彼女が来スタしたことを確認。自分は11時半に出勤する予定にしました。
彼女は生粋のイタリア人。やはりここは私たちの方から少々の挨拶程度のイタリア語くらいは話さなければいけません。ドキドキしながら、スタジオの扉をサッと開け、「ボンジョルノ!!」と大きな声で挨拶しながら入ると、彼女はニコッと軽く(あくまで軽く)笑ってくれました。
レッスン中でしたが、初対面がすべて大事であると常々思っているので、歩み寄って、
「ミ キアーモ アキ・フジモト. ピアッチェーレ!」(フジモトと言います。初めまして)
と、覚えたてのイタリア語で語りかけ、またもニッコリしてくれました。
彼女は長い髪を下ろし、堀りの深い顔に黒ブチの大きなメガネをかけ、黒いタートルネックにグレーのパンツという格好で、どこにでもいるガイジンさんという雰囲気です。身長は165㎝、直美と1㎝違いというだけで特別大きくはありません。ただオシリ(失礼(^_^))が大きく、あの圧倒的なパワーと安定感はこれなのかっという勝手な想像をしてしまいました。
レクチャーのタイトルは前もってお願いしておいた「男女の役割」。特に今回はスタジオの一般の会員も参加していて、必ずしも競技会に出場していないメンバー、個人レッスンに通っている女性会員が多いので、女性の視点に立った役割をレクチャーしてもらいました。
「相手とのコネクションはどう考えているか?」との質問に、「コネクションは考えていない」という答え。「えっ!?」と誰もが思ったハズです。このくらいの強さで組んでいるとか、手やボディの感覚はこれくらい・・・という答えを待っていたのに、意外なことに「考えていない」。いったいどういうこと?
彼女は「壁と組んでいる」とも言いました。「男性がバランスを崩したらどう対応するか?」という質問にも、「自分が正しいポジションをキープすること」と答えました。
自分はいつも「コネクションを大切に」「しっかり相手を感じて組むように」と教えてきましたが、自分のポジションを正しくキープすることが相手にとっても踊りやすく、コネクションを考えないということは、究極のコネクションの考え方なのだということだと解釈しました。
コネクションを考えずにコネクションをする。
このパラドックスを皆さんはどう考えますか?
(2013年1月9日更新)