第77回 熱いぜ!東京ダンスグランプリ!!
なぜ、こんなにも盛り上がるのか!
第12回東京ダンスグランプリが先月9月14日、後楽園ホールで開催されました。
国際親善競技会として城三江子様のスポンサーにより続いてきたこの大会も、ここまで来るのには決して平坦な道のりではありませんでした。
初期はホテルのディナー形式でしたが、評判が良くなく、チケットのノルマを達成することに大変苦労したことを覚えています。外人選手、外人ジャッジを招聘するためには多くの費用がかかり、それを賄うためにはチケットを捌かなくてはなりません。しかし、赤字覚悟で後楽園ホールに会場を移してからは逆に毎回チケットは完売するようになりました。
日本インターも国際競技会ですが、最近は売れ行きが悪く、大会運営に悩まされているところです。こちらの方が伝統もあり、規模が大きいのにもかかわらず、この差は一体何なんでしょうか?
後楽園ホールはご存知の通りノービスから選手権まで幅広いクラス戦を開催しているところです。選手にとっては登龍門であり、日常の戦いの場でもあるわけです。
そんな場所に世界のスーパースターがやって来て踊る、その他は特に大きな演出があるわけでもない・・・。にもかかわらず、多くのファンが観戦にやってきます。かくいう自分もこのダンスグランプリをとてもオモシロく思うのは、狭いフロアをどのように踊り抜けるのかということに興味があるからです。
この日も上の採点管理室からフロアを見降ろしていました。ここはフロアクラフトが実に良く見える場所です。アンドレア組はフィガーの組合せ、スピード、方向を巧みに変化させながら、日本人選手の間を風のように踊り抜けていく様は本当にこれが同じ競技選手かと思えるほど、別次元の踊り方をしていました。優勝するのは始めから分かってはいるものの、日本人選手が必死に踊っているのに比べて、楽しんで踊っているというエネルギーがどんどん伝わってくるのです。
今回は、北側の階段席も設営して完全なすり鉢場になりました。選手にとってはフロアーが狭くなり決して良い条件ではなかったかも知れませんが、アンドレア組を見る限り、フロアーの広い狭いは何ら関係ないという説得力のある踊りでした。
彼らの踊りについては、昨年日本インターで踊ったときよりもより洗練されていて、一層プロフェッショナルな感じを受けました。フィガーを変えてもエネルギーが途切れないのは、ルーティンではない、リード&フォローの確実なテクニックがあるからだと思います。
世界との距離がまだまだ遠く感じられた東京ダンスグランプリ。いつか、日本人選手だけで盛り上がる日が来ることを期待してやみません。
(2014年10月1日更新)