第78回 どうなる?統一全日本
第72回のコラムにも書きましたが、何の前ぶれもなく、JNCPDの解散が3月末にWDCから通告されました。ご存知の方も多いと思いますが、JBDF、JDC、JCFのプロ3団体で組織されたカウンシルをJNCPDと言い、統一全日本はここで主催されています。このJNCPDに代わる組織としてNDC for Japanを設立し、改めて加盟審査するということになりました。
しかし、JDC、JCFの加盟は速やかに承認されたものの、JBDFは承認されませんでした。
そこで、JBDF会長はWDC会長と協議するため5月に英国に渡ったのです。会議は友好的な雰囲気で終わったようですが、後日、改めてNDCに加盟するための条件が通達されました。主な条件は、JDSF、WDSFとの関係を断つことと、JDC、JCF主催のコンペにJBDF登録選手を参加させるといった内容です。
そしてこの問題が解決されぬまま、11月3日の統一全日本の開催が差し迫ってまいりました。
このコラムが掲載される頃には態勢が決まっていることと思います。
JBDF本部は所属選手が統一全日本に参加した場合、選手に「ペナルティを課す」と通知してきました。本来なら選手を守ると明言した東部日本ボールルームダンス連盟が、そのペナルティを被るべきでしょう。しかしながら具体策が提示されないのであれば「守る」という言葉を鵜呑みすることなく選手会は行動するしかありません。
ひとつ言えることは、参加するしないにかかわらず、選手会は決して割れることなく一枚岩になっている必要があるということです。JBDF本部に「ペナルティを課す」と“言わせて”しまった以上、その振り上げた拳はどこかに降ろさせなければメンツが立ちません。理事を辞めることや、審査員資格停止といった処分で身代わりになれるのであれば、自分はいつでもこの覚悟はあります。
外からは、JBDFが選手を統一に出場させない、というこの部分だけが切り取られて見えているようですが、到底受け入れられない無理な条件を突きつけてきたのはWDCであるということも忘れてはならないと思います。
このダンス界を巡る不毛な覇権争いは大変に見苦しい。夢を売る業界に体質を変えない限り、例え覇権争いに勝利してもダンス界の未来は無いと思います。
(2014年11月4日更新)