第22回 これでいいのか、ダンス界!パート2
ダンス界統一に向けて
財団法人日本ボールルームダンス連盟が発足して18年。当時、選手会の役員をしていた自分は、日本のプロ組織が分裂していく様を目の当たりにして、近い将来すぐにまたひとつの組織に戻っていくだろうと楽観的に思っていました。しかし以前のコラムにも書きましたが、今や、3つあるいは4つとも言われる組織に分裂したまま今日に至ります。
それぞれの団体が競技会を主催しダンスイベントを興行している有様は、選手や観客、スポンサーの奪い合い、トップダンサーの欠如といった多くの問題を解決できず、長びく不況の煽りもあって、この閉塞状態から抜け出せないままになっていると言わざるを得ません。
昨年の統一全日本選手権では、毎年のことですが、成績順位が明らかに団体戦になっているのは、同じダンス人として恥ずかしい限りです。こんな競技がメジャーになるはずがありません。ジュブナイル、ジュニアの子供たちに夢を持たせ、将来の日本代表選手を育てるためには、今からダンス界を改革していかなければ、ボールルームダンスの礎までも崩壊する危機に立っていることを自覚する必要があります。
組織を改革する時には、ある程度の痛みを伴い、犠牲を払うことも覚悟する必要があると、財団法人を設立する時、ある大物ダンス人が言っていましたが、自分達もこの言葉を鵜呑みにしてついて行ってしまいました。ですから、自分たちにも少なからず責任があります。
今年の1月、都内で昨今のダンス界を憂慮する9名が集まりました。JBDF、JDC、JCFの各団体から、3名ずつ、自分を含めて、その前後の世代のOBに集まってもらい、各団体の抱える問題点や日本のダンス界の今後のあり方について、大変有意義な意見交換ができたと思っています。
我々の世代はダンス界の分裂を体験した最後の世代として、あのとても嫌な歴史を二度と繰り返したくないという思いは同じで、ダンス界がひとつになるべきだという点では全員が一致した意見を持っていました。 そのためにひとつの方法として、先にも述べたように、団体戦になってしまい、必ずしも実力あるカップルが選出されるとは限らない現在の統一全日本選手権を止め、各団体が主催するビッグコンペを世界選手権代表選考大会として公認し、その総合成績によって2組の代表選手を決定するシステムに改めるべきという意見に皆賛同しました。そうすることで、各団体間での選手交流が活発になり、徐々にではあっても相互に他団体の色を受け入れながら最後にはひとつの色に統合されるようにするわけです。
ダンス界が分裂してもうすぐ20年になろうとしています。自分たちは今、各団体の足の引っ張り合いを止め、統一する方向に舵を取る時期にきています。様々な抵抗勢力に立ち向かう必要があるでしょう。このコラムを読んでくださるダンスファンの皆様の多くのご意見や、スポンサー、業界関係者の皆様のご支援を得て、日本のダンス界の浄化再生に向けて私たちも精一杯努力してまいります。ご協力よろしくお願いいたします。
財団法人日本ボールルームダンス連盟 事務所
(これでいいのか、ダンス界!パート1 バックナンバー第7回)
藤本明彦
(2010年2月1日更新)