第85回 拝啓、JBDF本部理事役員の皆様
理念は良かったと思います。
WDCとWDSFが日本インターという大舞台で一つにまとまって競技会を開催するということが成功すれば、世界初の快挙だったことでしょう。でも現実はそんなに甘くはありませんでした。
敵対する双方の世界組織をまとめるマネジメント力などJBDFにあるはずもなく、このままインターに突入しようとしています。
ご存知の様にWDCとWDSFの踊り方は違います。僕は格闘技を見るのが好きなので例えて言うと、今回の騒動の一つは異種格闘技戦であるにもかかわらず、審査方法について何ら話し合いもルールも決めることなく試合に出場しろとJBDFが強硬な態度に出たことです。
スタンダード世界チャンピオンも出場を辞退したのは当たり前です。
負けるのが怖いからだと言う人もいますが、それこそダンスというものを分かっていない人達でしょう。
東部日本選手会がボイコットを宣言せざるを得なかったのは、妥協案を一蹴した本部の対応の結果であることは明白。理念だけで大会を運営しようとする本部に対し、我々東部日本の役員も反発しました。何ら相談も話し合いも無く採点管理をJDSFに担当させるとこれまた強行採決した本部。これを受けて東部日本の役員も今回のインターの役職を全員降りることになったわけです。
我々は各部が連携してチームワークで運営していることを分かっていない。立場は違っても選手会と東部役員が今回のインターのやり方についてNO!と言ったことが、どれ程重要なことであったか、本部は身に染みて分かっていないのです。
公益財団になって組織改革が行われたときに、11の各委員会と人数を大幅に削減した評議員会というものを立ち上げました。インターを開催するにあたって実行委員会も立ち上げましたが、現実には本部の20名の理事だけですべての物事を決定してしまっていることをどれだけの人が知っているでしょうか?
物事の進め方、決定の仕方が一番の大きな問題であり、指導力も人徳も感じられない一部の現理事の責任は免れないものと断言します。
ダンスナビ6月号やダンスファン7月号などへの寄稿には選手の自由意思を守るなどという内容が掲載されていますが、昨年の統一全日本や今年のスーパージャパンカップに対して出場選手にペナルティを課すと宣言したのは誰ですか?また、本部の意向に相応しくないという理由で話し合いも無く一方的に西部を除名したのは何故ですか?
今我々は、本部改革派と脱退派の2つの意見に分かれています。僕はまず、旧5総局と本部があらためてしっかり話し合いのテーブルに付くことから始めるべきだと思います。徹底的に話し合う。その話し合いの場が無いことが問題であって、WDCとWDSFのどちらかを選択するかという問題ではないのです。
(2015年6月1日更新)