第90回 フォールアウェイリバースについて
このコラムも連載が始まって90回目。
100回に向けて「身体意識の技術」の原点に還り、踊り方を考察してみたいと思います。
ベーシックフィガーの中でも踊り方が難しいフォールアウェイリバース。初心者は特にホールドが歪みやすく美しいポイズを保ったまま踊るのが困難です。
ところで「フォールアウェイ」とはどのような意味なのでしょうか?遠ざかる、離れ去ると訳すわけですが、踊りはじめた場所から遠ざかる、あるいは男性の左 ボディが女性の右ボディから離れるということのようです。
僕もいろいろな踊り方を試してきました。そして女性は「3歩後退」することがキーポイントのひとつだということです。3歩目で左へピボットしますが、そこまでは回転量は「無し」なのです。
一方、男性は女性を3歩後退させるようにリードすればよいわけですから、そのためには単純に3歩前進すればよい。そして3歩前進のつもりで3歩目を後退してみる。感覚的には3歩前進のエネルギー(リード)を維持しながら3歩目を後退するという感じです。
その様にすると男子2歩目が、結果的にチャートにあるように「右足 右サイドリーディングでフォールアウェイに後退」という踊り方になりませんか?
フォールアウェイポジションとはP.Pを保ったまま後退するポジションであるが故に2歩目をチャートの言葉どおり後退してしまうことに問題があるような気がします。
チャートはステップの結果を記述している場合が多く、途中の過程や感覚的なことには言及していないので、その行間を読み解くことが必要です。
(2015年11月1日更新)
藤本 明彦
リーダーの藤本は、大学のダンス部に入部後、桝岡栄子先生に師事。
学生チャンピオン、アマチュアチャンピオンを経てプロに転向、Aクラス昇級後、英国留学を重ね全日本グランドファイナリストとして活躍。
2001年のスーパージャパンカップを最後に競技選手を引退。
1961年生まれの天秤座のO型で、現代の日本人が忘れかけている「気合・根性・忍耐」の精神が大切であると常々思っている。
大の温泉好きで、これからは秘湯めぐりをしようかと密かに企んでいる。
佐藤 直美
パートナーの佐藤は栃木県出身で、実家がダンス教室でありながらダンス嫌いで、ミュージシャン志望だった。
しかし、亡き母の熱心な薦めで、東京は四ツ谷の「石原ダンスクラブ」にその頃在籍し次期チャンピオンと言われていた桑原明男先生に師事。
プロの踊りの奥深さとかっこ良さに触発され自分もプロになることを決意し上京。(まんまと母の思惑通りになる…)
直美という名前はダンサーネームで本名は玲子。プロになる時オーナーが「皆に好かれ、ダンサーとして大成するように」とつけてくれた。
その後タップダンスやジャズダンスなどでダンサーとしての体を作りながら地道に昇級し、Bクラス戦を前後期優勝しAクラスに昇級。
やはり英国留学を重ね全関東選手権、アレックス・ムーアカップでファイナル入り、スーパージャパンカップでセミファイナル入りと着々と実績を上げ2001年に競技選手を引退。
都内にダンススタジオをオープンするも、同じ頃藤本と公私共にカップルを組む事になり、平成16年4月に神奈川県横浜市に「藤本ソシアルダンススタジオYOKOHAMA」を新規オープン。
多くのダンスファンに親しまれ、今日に至っている。
現在は、経営指導の傍ら、JBDF東部総局公認審査員、デモンストレーターとして多忙な日々を送っている。そして、「なんば」をキーワードにダンス理論を解明することがライフワークのひとつとなっている。