第92回 ワキが甘い
腹を決める、殻を破る、懐が深い、脇が甘い等、日本語には体を例えに使った表現が多くありますよね。これは古来より日本人が身体と意識の関係を深く考察してきた結果なのでしょう。英語に訳そうとしても適当な表現が見つかりません。
「ワキが甘い」の反対は「ワキを締める」ですが、スタンダードにおいてこのワキはどの様に意識したらよいでしょうか?
P.P.からの右足(左足)は男女ともCBMPにアクロスして出しますが、その時体を開き過ぎないように、体を絞ってとよく注意されることがあります。しかし、その言葉どおり体ばかりをコントロールしても今度は足が出せなくなるというジレンマに陥ることになります。
僕が意識しているのは、体を垂直に保ったまま脇から脚を出すことです。
この体を垂直に保ったままというのがポイントで、出す脚につられて体が後傾してはなりません。
出来る限り大きく広く脚を中間バランスのところまで出してみる。そうすると反対側の脚も脇から脚が伸びている感覚になります。両脇のあたりから左右の脚が交差してう~~んと脚が引っ張られ、伸長している状態になり(これが絞った感覚)、伸びたものが元に戻ろうとする力が次への運動のエネルギーになります。膝のバネとか足でフロアーを蹴り出すのではありません。
体を使って踊るとはこういうことではないでしょうか。
ワキが甘くなっても締まってもいけません!ワキは伸ばすようにしましょう!
(2016年1月4日更新)
藤本 明彦
リーダーの藤本は、大学のダンス部に入部後、桝岡栄子先生に師事。
学生チャンピオン、アマチュアチャンピオンを経てプロに転向、Aクラス昇級後、英国留学を重ね全日本グランドファイナリストとして活躍。
2001年のスーパージャパンカップを最後に競技選手を引退。
1961年生まれの天秤座のO型で、現代の日本人が忘れかけている「気合・根性・忍耐」の精神が大切であると常々思っている。
大の温泉好きで、これからは秘湯めぐりをしようかと密かに企んでいる。
佐藤 直美
パートナーの佐藤は栃木県出身で、実家がダンス教室でありながらダンス嫌いで、ミュージシャン志望だった。
しかし、亡き母の熱心な薦めで、東京は四ツ谷の「石原ダンスクラブ」にその頃在籍し次期チャンピオンと言われていた桑原明男先生に師事。
プロの踊りの奥深さとかっこ良さに触発され自分もプロになることを決意し上京。(まんまと母の思惑通りになる…)
直美という名前はダンサーネームで本名は玲子。プロになる時オーナーが「皆に好かれ、ダンサーとして大成するように」とつけてくれた。
その後タップダンスやジャズダンスなどでダンサーとしての体を作りながら地道に昇級し、Bクラス戦を前後期優勝しAクラスに昇級。
やはり英国留学を重ね全関東選手権、アレックス・ムーアカップでファイナル入り、スーパージャパンカップでセミファイナル入りと着々と実績を上げ2001年に競技選手を引退。
都内にダンススタジオをオープンするも、同じ頃藤本と公私共にカップルを組む事になり、平成16年4月に神奈川県横浜市に「藤本ソシアルダンススタジオYOKOHAMA」を新規オープン。
多くのダンスファンに親しまれ、今日に至っている。
現在は、経営指導の傍ら、JBDF東部総局公認審査員、デモンストレーターとして多忙な日々を送っている。そして、「なんば」をキーワードにダンス理論を解明することがライフワークのひとつとなっている。