第31回 ムサシに学べ!
~ 太刀をはやく振んとするによって、太刀の道ちがいてふりがたし。
太刀はふりよき程に静にふる心也。 ~
五輪書『水の巻』
無理矢理に早く振ろうとすればかえって刀の機能を殺してしまい、切るという目的を果たせない。刀の動線・軌跡をしっかり捉えた上で振る必要がある。
では、早く振ってはいけないのでしょうか?動線を誤らないようにゆっくり振れと武蔵は言っているのでしょうか?
宮本武蔵の研究家でゆる体操の開発者である高岡英夫氏のおもしろい分析があります。木刀あるいは竹刀を振ってみればわかりますが、柄を持って剣先を振っても何度も素早く振れるものではないことがすぐ分かります。手で握っている支点に対して剣の重心が遠くにあるため、よほどの腕力がないかぎり、早く振ることは難しい。それに対して、剣の重心を中心に支点である手を動かすようにしたらどうでしょう。高岡氏は、前者を自身中心運動、後者を他者中心運動と分析しています。これって、ダンスにそのまま応用できるじゃないですか?
自分を中心にパートナーを動かそうとすることは、何十㎏もある物体を動かすことになるので、疲れるだけで、上手く踊れませんよね。例えば、パートナーを右に踊らせたければ、自分は左に踊ってみる。よく言われるカウンターバランスとは、こういうことじゃないでしょうか?
関連動画
http://www.youtube.com/watch?v=SncapPrTusA&feature=related
ラケットを持っている選手も相当なレベルですが、ブルース・リーの動きにはついていけないのがわかります。リーは、ヌンチャクを振っているのではなく、自分が動いています。まさに自者中心運動VS他者中心運動の勝負ですね。
藤本明彦
(2010年12月1日更新)
藤本 明彦
リーダーの藤本は、大学のダンス部に入部後、桝岡栄子先生に師事。
学生チャンピオン、アマチュアチャンピオンを経てプロに転向、Aクラス昇級後、英国留学を重ね全日本グランドファイナリストとして活躍。
2001年のスーパージャパンカップを最後に競技選手を引退。
1961年生まれの天秤座のO型で、現代の日本人が忘れかけている「気合・根性・忍耐」の精神が大切であると常々思っている。
大の温泉好きで、これからは秘湯めぐりをしようかと密かに企んでいる。
佐藤 直美
パートナーの佐藤は栃木県出身で、実家がダンス教室でありながらダンス嫌いで、ミュージシャン志望だった。
しかし、亡き母の熱心な薦めで、東京は四ツ谷の「石原ダンスクラブ」にその頃在籍し次期チャンピオンと言われていた桑原明男先生に師事。
プロの踊りの奥深さとかっこ良さに触発され自分もプロになることを決意し上京。(まんまと母の思惑通りになる…)
直美という名前はダンサーネームで本名は玲子。プロになる時オーナーが「皆に好かれ、ダンサーとして大成するように」とつけてくれた。
その後タップダンスやジャズダンスなどでダンサーとしての体を作りながら地道に昇級し、Bクラス戦を前後期優勝しAクラスに昇級。
やはり英国留学を重ね全関東選手権、アレックス・ムーアカップでファイナル入り、スーパージャパンカップでセミファイナル入りと着々と実績を上げ2001年に競技選手を引退。
都内にダンススタジオをオープンするも、同じ頃藤本と公私共にカップルを組む事になり、平成16年4月に神奈川県横浜市に「藤本ソシアルダンススタジオYOKOHAMA」を新規オープン。
多くのダンスファンに親しまれ、今日に至っている。
現在は、経営指導の傍ら、JBDF東部総局公認審査員、デモンストレーターとして多忙な日々を送っている。そして、「なんば」をキーワードにダンス理論を解明することがライフワークのひとつとなっている。