第96回 体の重さで移動するということ
足を揃えたとき、皆さんの体重はどちらの足にありますか?右?左?両足?
審査員で長時間立っているとき(最も長いときで2時間半)、右足に乗ったり左足に乗ったり(ステージの端に寄りかかってはいけません!)、もちろん無意識ですが体重を乗り換えています。途中でトイレも行けないわけですから、前日の飲酒は控えてお腹の調子を整えていなければなりません(^^)
本題に戻ります。
片足に全体重が乗っているときは「休め」の姿勢でも分かる通り、静止している状態には適していますが、いざ動き出すときには脚力を使ってもう一方の足に乗り換える必要があります。
これは足でフロアを蹴る動作になるので、一気に体重が移ってしまう。それはスピードが出るということではなく、よく言われる「バタン」という擬音で表現される悪い移動になってしまいます。
P.P.を例に話をしましょう。種目は共通です。
足を揃えてP.P.の体勢のとき、通常、男子は右足に体重を乗せ、フロアを押して左足を横に出します。ここで大切なのは、バランスを取りながらどの様なタイミングでどのくらいの歩幅で進むかということですね。
結論から言うと、僕は左足に体重を乗せています。
え?右足は?
右足にも当然乗せていますが、比率を左足5、左足5の状態から左足へ6~7と比率を変えていきます。右足はブレーキの役割として垂直にしっかりフロアをプレスしています。左足は更に7~9と比率を増やし、右足のブレーキを丁寧に解除していく。こうすることで重心の移動がパートナーにもはっきり伝わり、スムーズなムーブメントを作り出すことが出来るはずです。
筋力は各関節を最適な位置に保持するために使われるのであって、筋力で力任せに移動するのは一番避けなければなりません。
体は重い方に動いて行きます。P.P.だけでなく前進・後退も含めてこの踊り方を是非応用してみてください。劇的に踊りやすくなるはずです。
(2016年5月1日更新)